1歳半検診は、親にとって大切な節目ですよね。
子どもの成長や発達を確認する機会でもあり、特に保育士である私にとっては、仕事で培った知識や経験を活かして、普段から我が子の成長を見守っているつもりでした。
しかし、実際に自分の子どもが健診で何かを指摘されると、保育士としての立場と母親としての感情がぶつかり合い、戸惑いが生まれることに気付きました。
今回は、実際の検診の記録とその際指摘された具体的な例と、それに対する私の心の動きをお伝えします。
検診後に専門機関へ繋がるまでのステップも共有し、同じような不安を抱える方の参考になればと思います。
1歳半検診の問診票と結果
一歳半検診の目的は?
子どもの身体的・精神的発達を確認し発達障害や健康問題を早期に発見することです。
これにより、必要な支援や治療を早めに行うことができます。
具体的には次のような3点です。
- 身体と心の発達確認:身体(身長、体重、運動機能)や心の発達(言語能力、社会性)を確認。
- 疾患の早期発見:視覚や聴覚の異常、脳性麻痺、自閉スペクトラム症などの発達障害を早期に発見し、適切な治療や支援につなげることを目指します。
- 生活習慣と育児支援:栄養状態や生活習慣の自立を促進し、保護者への育児相談を通じて子どもとその保護者をサポート。
一歳6ヶ月児健康診査問診票
実際の検診の記録を見やすく表にまとめました。
質問 | 回答 |
---|---|
ひとりで上手に歩けますか | はい |
極端なO脚や気になる歩き方はありますか | いいえ |
なぐり書きをしますか | いいえ |
積木を2〜3個積めますか | はい |
コップを使って飲む事ができますか | いいえ |
絵本を見て動物や物の名前を聞くとそれを指さしますか | いいえ |
おいで、ちょうだいなど理解しますか | はい |
話す時にお子さんと視線が合いますか | はい |
人まねをしたり、相手になって遊ぶと喜びますか | はい |
意味のある言葉を話しますか | いいえ |
どんな言葉を出ていますか | 喃語程度 |
目つき、目の動きで心配なことがありますか | いいえ |
後ろから名前を呼ぶと振り返りますか | はい |
耳が聞こえにくいと感じた事がありますか | いいえ |
食事・おやつの時間はほぼ決まっていますか | はい |
サジなど持って自分で食べようとしますか | いいえ |
おしっこやうんちのしつけを始めていますか | いいえ |
次の事項で当てはまるものは赤文字でチェック
かんしゃくがひどい
集団に入りたがらない
こだわりが強い
周囲の人や他の子に関心を示さない
親の姿が見えなくなっても気にしない
極端な偏食や少食
なかなか寝ない、夜泣きで困る
落ち着きがなく動き回る、じっとしない
目を離すとどこかへ行ってしまう
すぐに気が散る
検診結果
診察所見…発語・理解発達の欄に“不良”
判定…要観察※1(6ヶ月後)
指導内容…ことば
市への連絡事項…市で訪問・相談
要観察:言語・視線・2歳頃フォロー
※1要観察とは…子どもの発達や健康状態は通常の範囲内であるが、特に注意して経過を見守る判断された状態をいいます。
具体的には言葉の発達や指差し行動が期待通りでない場合などが含まれます。この場合、専門家による追加の観察やフォローアップが推奨されています。
医師から受けた質問と診断
- 意味のある単語を話すか
- テレビや絵本を見て知ってる物があると指さすか
- 子どもと視線が合うか、こちらの呼びかけに反応するか
- 身近な人に関心があるか
- 昼寝の時間帯や食事、おやつの量と回数 など
医師の質問といってもその内容は、日頃の生活の中で見られる行動や生活リズムなどが中心です。
ですので保護者の方から見た、日頃のお子さんの様子をお伝えするだけで大丈夫ですよ。
言葉の遅れを指摘された時
健診でまず指摘されたのは、ことばの遅れでした。
息子は普段から喃語は出ていたものの、意味のある単語は出ていませんでした。
医師から「まだ単語がほとんど出ていないですね」と言われた瞬間、保育士として「言葉の発達は子どもによって違う」と理解しているはずなのに、母親としての私の心は焦りでいっぱいになりました。
仕事ではたくさんの子どもたちを見てきて、ゆっくり成長する子もいることを分かっているつもりでしたが、いざ自分の子どもが指摘されると、まるで自分の育て方が悪かったかのように感じてしまいました。
「もっと早く気づいて、何かできたのではないか」という後悔や、母親としてのプレッシャーが一気に押し寄せ、普段の自分の育児を見直すきっかけになりました。
視線が合わないことを指摘された時
次に言われたのは、視線が合いにくいという指摘でした。
先生から「お子さん、視線が少し合いにくいですね」と言われた瞬間、私は内心ドキッとしました。
保育士として、この指摘が何を意味するのかすぐに理解できました。
発達に関連するサインの一つかもしれないと瞬時に思い当たる点があったからです。
職場では、そういった子どもに対して冷静に対応してきたはずですが、自分の子どもに関しては見逃していたのかもしれないと、母親としての自分を責める気持ちが込み上げてきました。
保育士としての知識があるがゆえに、かえって「どうして自分の子どもには気づけなかったのだろう」という自分を責める気持ちが強くなってしまいました。
動き回ってじっとできない姿を指摘されたとき
検診中、我が子はじっと座っていられず、ずっと私の抱っこから逃れおりようとしていました。
これまで、元気いっぱいに動き回る姿を「活発な子どもだな」と思っていたのですが、先生からは「少し多動の傾向があるかもしれませんね」と指摘されました。
保育士として動き回る子どもを多く見てきた私は、さほど気にすることではないと考えていました。
しかし、自分の子どもに対してその指摘を受けると、驚きとともに不安が募りました。
「家でも何か対策できたのではないか」
「私の接し方に問題があったのではないか」
と考えずにはいられませんでした。
保育士という立場があるために、普段子どもたちに接するように自分の子どもにも対応できると思っていたのですが、母親としての感情が強くなると、冷静に対応することが難しいことを痛感しました。
もやもやが安堵に変わり、専門機関へ繋がるまでのステップ
1歳半検診で要観察と診断され、日々の育児の中で感じていた違和感や育てにくさの原因が少しずつ明らかになり、ほっとしたことを覚えています。
いくつかの指摘を受けたのち、専門機関への相談を勧められました。
ここで、専門家の力を借りることが必要だと理解しながらも、母親としての自分がきちんとできていなかったのではないかと、やはり迷いが生まれました。
しかし、「早期に専門家のサポートを受けることで、より適切な対応ができる」という医師の言葉を聞いて、少し安心したのも事実です。
次に取るべきステップとしては、まず地域の発達支援センターへ連絡し、予約を取ることでした。
そこで子どもの発達をさらに詳しく見てもらい、専門家とのカウンセリングを通して今後の支援プランが組まれるのです。
保育士だからこそ抱える不安、母親として感じる葛藤
今回の健診で、保育士である自分が直面した複雑な感情と向き合うことになりました。
仕事を通じてたくさんの子どもたちを見守ってきた自信があったものの、「自分の子どもとなると、まったく別の視点で悩むものだ」と強く感じました。
子どもそれぞれに発達のペースがあり、それに寄り添いながら成長を見守ることが大切だと頭では分かっていても、いざ自分の子どもが指摘を受けると、冷静ではいられませんでした。
でも、こうして専門機関に繋がることは、子どもの未来を守るための大きな一歩だと信じています。
専門機関への一歩をためらわないで
子どもの発達には個人差があることを、日々の中で深く感じています。
しかし、早めに気づき、適切な支援を受けることで、その子どもにとって成長をより豊かにサポートできることも事実です。
1歳半検診で何か気になる点を指摘されたとしても、それは決して「遅れている」わけではなく、子どもが必要とする支援を早期に整えるための大切な一歩です。
同じように健診で不安を抱えている親御さんも多いかと思いますが、ひとりで悩まずに、専門機関の助けを借りながら、ゆっくりとお子さんのペースに寄り添うことが大切です。
親としての不安を抱え込む必要はありません。
専門家と一緒に子どもの成長を見守ることが、私たち親にできる一番良い行動だと思います。
どんなに小さな心配でも、一歩を踏み出して専門家に相談してみてください。
きっと、安心できるサポートが待っているはずです。
この記事が、少しでも皆さんの参考になれば幸いです。